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元店員として コーヒートリオの楽屋裏 第13回

私は、昔カフェで働いていました。今、いろんな場所でお店を開けられない方が増えています。

 

悔しいだろうなあ。お店を開けられない。と想像してしまいます。(売上云々のことはここでは置いておきます。)

 

一番、世の中の人がほっとしたいと思っているこの時期にお店を開けて、ほんの少しだけひと息つきたい時に、それができない。

 

相手がコロナじゃなければ、きっと少し無理してもお店を開けていられた。持ち帰りだけでもできたかもしれない。

 

私が、カフェで働きたかった動機は、たった一杯の飲み物で人をあったかい気持ちにできて、心をリセット、リフレッシュして、次のスケジュールに気持ちよく向かえるという、この仕事が本当に素敵だと思ったからです。

 

たった一杯と書いたけど、その一杯の中には、店員さんの笑顔や仕草、歓迎の言葉。心地よい空間。待たせない工夫。どの一杯も美味しく仕上げるための努力。そこに全てを毎回注ぐ。

 

それをどんな人でも楽しめる。お医者さんも、運転手さんも、先生も、お店の人も、学生さんも、おじいさんも、お兄さんもお姉さんも、属性から逃れて、自分だけの時間を楽しめる。

 

 

 そんな時間を提供できる仕事が素敵だと思いました。

 

ドリンクを作っているようだけど、実は、いろんな人の未来への活力を作っているんだと思っています。これ、面接の時にも言いました。

 

大袈裟ですか?でも私は今でもそう思っています。誰もがそう思っているかは知らないけれど、少なくとも私の周りにはそんな気持ちで働いている仲間が多かったです。

でも、今はお店を開けるべきではない。その理由は説明するまでもないですよね。

 

だから、各自、お家でちゃんと自分のために美味しいものを作ったり、楽しい時間を過ごして、自分自身をもてなす時間を過ごして欲しいな。

 

そうして、自分でちゃんと自分をもてなして、気持ち良い時間の中で体調を整え、人に優しくする気持ちを忘れないでいて欲しい。

 

あなたがなんとなく通ってしまうお店の店員さんはそんな気持ちにしてくれてたはずです。また、好きなお店で店員さんに会える時まで、ちゃんと良いこでいてくださいね。

茶谷順子 

イラストレーター活動歴28年。

手書き、デジタルともに、ほっこり気分にさせてしまう可愛いイラストが大得意。お寿司と素焼きアーモンドが好もっと詳しく