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かばいたかしの『ビジネス経理』#14

か:かばいたかし
順:珈琲順太
ス:二度寝スヤ子

ビジネス経理 士業向けイラスト 茶谷順子

順&ス:『かばいたかしのビジネスぅ経理ぃ』!(エコー)

順:「こんにちは、週末の土曜日、いかがお過ごしですか?『ビジネス経理』ナビゲーターの『珈琲順太』です」

ス:「同じくナビゲーターの『二度寝スヤ子』です」

か:「皆さんお久振りです。メイン・ナビゲーターの『かばいたかし』です。宜しくお願いします」

 

ス:「マリリン先生が3週間連続だったので、かばい先生お久し振りですね!」

か:「ええ、忘れ去られているんじゃないかと心配しました(笑)」

ス:「最初のイラストがリニューアルしています♪」

順:「服装がボーイスカウトっぽいです」

か:「ありがとうございます!」

独立・開業

順:「かばい先生はコンサルティング会社と会計事務所の二つを経営していますよね? ご自身で独立しようとしたときはどんな感じだったんですか?」

か:「私は8年前の2011年3月に会社を辞め独立しました。理由はいろいろありますが、せっかくの一度きりの人生なので独立してみたいという想いがあったのが一番でしょうか」

順&ス「ふむふむ」

か:「ほかにも毎朝起きて電車に乗るのが嫌だというのもあったかと思います。準備はやっていたのかというと、多少SNSで活動をやったり、知人に声をかけて案件を紹介してもらったりしていました。独立時にはクライアント候補もあり、何とかなるだろうと思っていたのですが・・・」

ス:「あれ?双子の兄の川井隆史会計士のブログ『起業時の人脈のワナについて(2019.3.27)』にソックリ!」

順:「そういう余計な詮索は要りません!」

か:「そこで起こったのが2011年3月11日の東日本大震災です」

順&ス:「ひぇ~、独立した矢先に!!」

か:「震災の影響で、独立前に想定していたクライアント候補からは『しばらくペンディング(取り止め)』ということで、仕事が無くなってしまいました(笑)

順&ス:「ひゃぁ~、それは凹みますねぇ…」

か:「もちろん、あまり楽しくはなかったのですが悩んでも仕方ないので本を読んだり家事をしたりして、しばらく時間を過ごしていた気がします。わりと料理、掃除、洗濯などの家事は嫌いではないですしねぇ(笑)」

ス:「そういう時って焦りませんか?」

か:「焦りは感じますけど、どこかで『まぁ何とかなるさ』と思っていたんじゃないでしょうか」

順:「こういう時に焦るのはご家族かもしれませんよね。もしくはご家族に心配をかけまいと本人が余計に焦ってしまうとか。私自身もそうでしたけど、毎月収入があるというサラリーマン生活習慣に慣れてしまい、月給感覚に汚染されてしまっていますから

ス:「月給感覚に汚染?」

月給感覚に汚染

順:「会社員って、毎月きちんとお給料が頂けます。その月給をベースに毎月の家賃やローン返済額、食費、光熱費、子供の学費etcと生活費が設計されます」

か:「会社員だと、会社が赤字だろうが10連休だろうが、きちんと決まったお給料を貰えるから嬉しいよね!」

ス:「派遣とかアルバイトだと、働いた時間しか、お給料頂けませんけど(笑)」

順:「この月給スタイルに慣れてしまうと、毎月の収入が無いことが恐怖になってしまいます。そうして先の利益』に捕らわれやすくなってしまいがちになります」

か:「事業が良い時も悪い時も、『目先の利益』を追いやすくなりますね」

ス:「悪い時だけでなくて、良い時もですか?」

順:「事業の売上は毎月平均している訳ではありません。せめて年単位での売上で考えるべきなんですが、なかなかそうは思えないですよね」

ス:「1か月でも収入ゼロになったら、精神的に参っちゃいそう」

か:「実際には数か月くらい収入ゼロでも何とかなると思いますし、年間でみると帳尻が合ったりしています。でも、『この先も収入ゼロだったらどうしよう?』という不安感で一杯になるのが普通です。そういう不安感を払拭するためには、ある程度の事前準備が必要なんですけど」

道に迷う人。サボテンは教えてくれない。

順:「この『ある程度』っていうのが曲者です。不安感という感情にリンクしているので、楽観的な人ならあまり必要ないでしょうけど、悲観的な人なら貯金も含め充分な事前準備があった方が良いでしょうし。数値的な決まりが無いんです」

ス:「あれ?『お金で不安を解消できると思う幻想』って、『珈琲団勉強会』の経済的自由の話みたいですね?」

か:「何とか売上を得るために、単価の低い仕事を受けてしまったり、がむしゃらに働く時間を増やしたりとか」

順:「売上が上がってきても『ここで頑張って稼いでおかないと、また収入ゼロのときが大変』という焦燥感から、さらに頑張り過ぎてしまうとか」

ス:「あります、あります!そういう焦燥感!」

か:「単価の低い仕事というのは、言い換えると『他の誰でも代わりの利く仕事』なんです。それによって個人事業主が時間単位で収入を得ていくとすると、経済的には自分の時間切り売りとあまり変わりません」

順&ス:「自分の時間切り売り!」

 

か:「収入を一定化して安定したいという思いが強すぎると、大口取引先1社に収入の殆どを依存する『下請け』的な仕事になっているケースがあります。短期的には良いですが、長い目でみればとても不安定な状態です」

順:「そうなると、上司との関係とか、人間関係が嫌で『会社員』を辞めた人は、なぜ『会社員』を辞めて独立したのか分からなくなりますね?」

か:「独立・開業するのに崇高な目標なんて必要ありませんけどね(笑) 『朝の満員電車がイヤ』とか『一度は自分の力を試してみたい』でも全然OKなんです。」

とんがった技術・スキルが必要?

ス:「起業や独立・開業するには、会社員時代とは違って、特殊な専門能力だったり経営の勉強だったり、いろいろ大変じゃないかと…」

か:「そうですねぇ、『誰にも負けないものを確立すること』が出来れば素晴らしいですけど、
それに世の中にでると、意外にとんがった技術・スキルなど必要ありません。

ス:「そうなんですか!?」

か:「スヤ子さん、イラストレーターとして『開業届』を出した方が良いのか、悩んでいましたよね?」

ス:「ドキっ! そ、そうです。でも『開業届』を出すくらいの規模なのかな?自分の仕事内容で開業っておこがましいのかな?色んな手続きが大変そうだなぁ、とか躊躇してしまったんです」

大きなあんパンに喜んでる姿。

順:「『起業』や『独立・開業』についての情報が氾濫していますからね(笑)」

か:「真面目な方はひたすら勉強してしまいます。パターンとしてはひたすら自分の分野を極めていこうと勉強する『とんがり志向タイプ』と、分野を広げていこうとやたらと民間資格などを取りたがる『セミナージプシータイプ』に分かれます」

ス:「あ、『スキルの罠』ですね!」
( T&Aマネージメント代表ブログ「起業時のスキルの罠について(2019.04.03)」より)

か:「そうです、スキルの罠です。両方とも程度問題として基盤となる分野を作ることは必要で、ある程度極めたり、広げたりするのは必要だとは思いますが、大抵極端にやりすぎだなぁと思う方多いです」

順:「本人が思い込んでいるほど、お客さんは『とんがった誰にも負けないようなスキルや技術』を求めていません。誤解を恐れずに言えば、個人レベルで展開可能な『スキルや技術』はたかが知れていると思います」

か:「自分がたいしたことないと思うことでも、意外に顧客にとってはありがたいことは多く、それは高度なものである必要はないのです」

 

ス:「じゃぁ、起業や独立・開業に必要なコトって… あ、時間ですね。来週土曜日の『ビジネス経理』#15で続きをお願いします!」

か「もちろん! 今回もありがとうございました。」

注)このコラムは、セカンド・オピニオン株式会社様の2019年4月20日付けBlogの転載です。